秋の養生法
秋によく働く臓器は 肺。 つまり、呼吸器がよく働く季節です。
そんな秋の養生法は 呼吸をしっかりするのが正しい養生ということです。
呼吸をしっかりするというのは 呼吸をたくさんするということ。
つまり、 運動 がオススメなんです。
『運動の秋』なんて言われる由縁は このあたりにあるんです。
この理由を東洋医学的に説明すると、 呼吸器をつかさどる肺は 実は 皮膚表面 もつかさどっています。
皮膚表面というのは 外界の暑さに反応して 身体の内側の熱を放出したり、
外界からの寒さを防いで 身体が冷えないように働いています。
したがって、 皮膚表面を鍛えておくことが 冬にカゼをひきにくい身体を創る ということにもつながります。
皮膚表面を鍛えるためには しっかり汗をかいて毛穴を開く。
そうしておいて 秋の風の涼しさを利用して こんどは毛穴をしっかり閉じる。
これを繰り返していくと皮膚が鍛えられ、 冬に外気が冷たくなる頃には 毛穴をピチッと閉じることができるようになり 冬の寒い空気が身体に侵入してくるのを防げ、 カゼをひきにくくなるんです。
しかも、 肺には 収斂(しゅうれん)という作用があり、
身体のめぐりや精神的なものも 内向きになりやすい傾向があります。
身体の機能が落ち込んだり、 気分的にも沈みがちになりやすいのもこのためです。
こういう内向きの働きを 運動をして汗をかくことで 外向きにしてあげると、
自然と 心も身体もバランスを取りやすくなります。
ただし、 これまで運動をほとんどしていなかった方が いきなりランニングを始めるなんていうのは 3日坊主で終わるのがオチです。
3日坊主ならまだしも、 膝や足首の故障につながったりという 危険もあります。
まずは、 近所の散歩でいいんです。
秋の草花を愛でながら。 移りゆく季節を感じながらのんびりと。
そうして、 うっすら汗をかくくらいでいいのです。
慣れてきて、 もう少し汗をかきたいなと思うえば、 徐々に強度を上げて、 ジョギングやランニングにしていけばいい。
運動をする時間が取れないという方は 通勤時に階段を使ってみたり、 一駅分歩いてみたり。
買い物に自転車を使っていたヒトは 歩きで行ってみたり。
とにかく、 自分の足で大地を踏みしめ、 秋を感じながら 汗をかくということを意識してみてください。
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