『眠る』ということ
『眠る』という行為を 東洋医学的に考えてみると、 日中、肉体的活動や精神的活動を通して 身体に溜まってしまった熱を冷ます 行為なんです。
動物は 日中、身体を動かしたり、 頭を使ったりして活動しています。
そうすると、 身体の内側から熱が発生します。
この熱は 活動する原動力でもあり、
余った熱は 呼吸や汗などで発散している訳ですが、
身体の芯の方の熱は すべてを発散して取り切れる訳でなく 多少なりとも残ってしまうものです。
この熱が 残ってしまったままでは 身体はだんだん疲れていきます。
また、 余った熱量が多いと オーバーヒート気味になってきて 病気の原因になったりします。
そこで 眠っている間に 肉体的、精神的活動をほぼ停止して 身体の芯の方にある熱を 冷ます時間に当てているのです。
こんな経験はないでしょうか?
頭をよく使った時には 寝付こうにもなかなか寝付けず、 なんとなく身体の芯の方が 熱っぽいというか火照るというか。
また、 寝不足が続いてしまうと 体温計で計ってみても熱がある訳ではないけど、 なんだか熱っぽく ポッポするような感覚がするとか。
これは 身体の芯の方に熱が残っているために そういうふうに感じる訳です。
うちでも いろいろな疾患の治療を させてもらっていますが、
慢性的に寝不足の方は 治りが悪い ものです。
では、 東洋医学的に 良い睡眠の取り方 とは いったいどういったものなのでしょうか?
まずは、 6〜8時間の睡眠時間を確保する こと。
ショートスリーパーと呼ばれる方も いらっしゃるようですが、 一般的には 最低でも6時間の睡眠は必要です。
また、 よく寝た方が調子が良いという方でも 8時間以上寝ていては
気のめぐりが悪くなり過ぎるので それは勘違いに過ぎません。
そうして、 6〜8時間の間で 夏は短め、冬は長め に寝ることです。
簡単に言えば、 お日様に合わせて 睡眠時間を調節するイメージです。
また、 現代の人は頭脳労働者が多く、 肉体を使うことが極端に少なくなりました。
こうなると、 頭に血が昇って 興奮したような状態になってしまい、
寝ようと思っても なかなか寝付けなくなりますし、
頻繁に夜中に夢を見たりして 良い睡眠になりません。
頭ばかり使って 身体を動かすことが少ない方は 意識的に 身体を使う ようにしましょう。
そうすることで 頭に昇った血が引き下がり、
心と身体のバランスが取れて グッスリ眠れるようになります。
さらに、 頭に血が昇っている時には 足先が冷えてしまっている ことも多いものです。
こういった時は 足先を湯たんぽなどで温めてやると、 頭に昇った血が引き下がって 良い睡眠に誘ってくれます。
たまには 仕事で根を詰めなければならず、 睡眠不足が続くこともあるでしょう。
そういった時には 日中に 20〜30分の昼寝 も 頭をスッキリさせてくれて 仕事の効率も回復しますよ。
それでも 睡眠について悩みがある時には 東洋医学的な治療 で 身体のバランスを整えて いけば、
上手に良い睡眠を取れるようになり 健康的な生活を取り戻すことができます。
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