逆子の治療

　寒くなってくると

　なんとなく増えてくるような気がするのが

　逆子の治療。

　東洋医学的に考えてみると、

　きっと寒くなってくる前の夏場などに

　きちんと養生ができていない ことから

　冬になると増えるのではないか？と考えられます。

　妊婦さんにとって

　お腹の中の赤ちゃんは

　熱のかたまり と言っても過言ではありません。

　そうすると

　夏場などはものすごく暑い訳です。

　それは秋になっても同じでしょう。

　それで

　とくに夏場などは、

　冷房に浸かり過ぎになってしまったり、

　冷たい物を摂り過ぎて

　身体を冷やしてしまうのでしょう。

　そうして、

　身体の冷えは 子宮の冷え に直結します。

　子宮が冷えてしまうと、

　お腹の中の赤ちゃんは

　下腹部よりも少しでも温かい上の方 を

　向いてしまうのです。

　そうは言われても、

　寒くなってきた今さら

　どうしようもない訳ですが、

　まずは、

　身体を冷やさないように して

　また、

　少しでも身体を温めるように してください。

　ネットなどで調べてみると、

　逆子の治療には

　至陰（しいん）のおきゅうが良い。　

　といった情報が出てくるかもしれません。

　しかし、

　単純に『至陰』におきゅうをしても

　それだけで効果があるものではありません。

　うちでも

　『至陰』のおきゅうはよく使いますが、

　それだけの治療で

　逆子を治療している訳ではありません。

　鍼灸院でも

　『至陰』のおきゅうしかしていないようでは

　一時的に逆子が治っても

　すぐにまた元に戻ってしまうようですし。

　まずは、

　身体のベースを建て直す 治療を優先します。

　そこで、

　身体の冷えを取り除いて

　子宮に十分な血液がめぐるように するのです。

　そうすれば、

　お腹の上の方よりも

　下腹部の方が温かくなるので、

　それだけでも

　お腹の中の赤ちゃんは下を向いて

　逆子が治ることもあります。

　そこに

　『至陰』のおきゅうをすることで

　確実に逆子を治療していくのです。

　ただし、

　おきゅうをすると言っても

　簡単ではありません。

　お母さんの体調などに合わせて

　もぐさのサイズ、硬さ、

　燃やし方やツボの取り方など

　さまざまなものを工夫しなければなりません。

　それこそが

　プロの仕事であり、

　誰でも治せるのならば

　これほど困っている方は多くはないでしょう。

　こういった

　プロの仕事だからこそ

　しっかりとした効き目が出る訳で、

　鍼灸院で

　お金をいただいて治療する意味があるのです。

　また、

　治療が奏効して

　逆子が治ったとしても

　それで

　お母さんの根本を

　すべて建て直せた訳ではありません。

　それまでの不養生を

　しっかり是正していかなければならないのです。

　ですから、

　逆子が治っても

　治療を継続していただくことで、

　身体の根本の部分を

　しっかりと建て直し、

　根本がしっかりしてくれば

　それが 安産にもつながってくる 訳です。

　逆子を経験された方は

　出産にかかる時間が長引く傾向がありますが、

　はりやおきゅうで

　しっかり体調を整えていくことで

　安産に繋げていくことが大切なのです。